鶴橋康夫監督との出会い

2020/2/12/6:13

さて、余談。「鬼」は埼玉県生まれなのだが、親の仕事の事情で幼い頃は各地を転々とした。埼玉県戸田市、栃木県今市市(当時)、奈良県大和高田市、新潟県村上市に在住したが、最も長く、そして親しんだのが村上市だった。高校も県立村上高校を卒業。母校の先輩にはテレビ、映画で活躍されている鶴橋康夫監督がいる。
最も長く、そして親しんだといえども、実は村上に帰郷したことは数えるほどしかない。高校卒業を前に父親が経営していた事業がおかしくなってしまったからだ。高校卒業後は故郷を疎ましくも思ってきたのだが、ここ数年は村上への想いが募ってきていた。その理由というのが、大先輩・鶴橋監督との出会いだった。某雑誌の企画で2017年に鶴橋監督をインタビューする機会があり、私も同席。そのときは鶴橋監督の作品『後妻業の女』についての取材だったのだが、私が高校の後輩であるとわかるや、鶴橋監督からは故郷の話ばかりが飛び出した。
それをきっかけに高校の関東支部同窓会に顔を出すようになった(そのときの模様は同窓会会報誌に掲載※記事はP2下段から)。2018年にはどういうわけか関東支部の幹事に就き、そして、2019年はわれわれの卒業年が当番幹事を務める地元での同窓会が開催され、それに出席することにした。
10月26日、村上市へ。数回は帰郷しているとはいえ、村上とはかなり疎遠だった。同級生たちのほとんどが卒業以来の再会となる。
だが、この帰郷が、まったくの想定外に大林宣彦監督のメッセージ集をつくる後押しになったのである。

大林宣彦氏プロフィール

1938年1月9日、広島県尾道市生まれ。映画作家。自主製作映画の先駆者としてCMディレクター、映画監督として活躍、“映像の魔術師”と称されている。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。代表作は『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の“尾道三部作”、『この空の花―長岡花火物語』『野のなななのか』『花筐/HANAGATAMI』の“大林的戦争三部作”など多数。2004年に紫綬褒章を受章、2009年に旭日小授章を受章、2019年の文化功労者に選ばれている。2016年8月に肺癌が判明、ステージ4まで進行しており「余命6カ月」、のちに「余命3カ月」と宣告されるが、抗癌剤治療が奏効し、現在は「余命は未定」。2020年4月に最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が公開。

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