百姓一揆

2020/2/13/8:51

「鬼」が新潟遠征した10月26日、「人たらし」と「年貢に苦しむ百姓」にも大林プロジェクトでの大きな動きがあった。それは書籍『キネマの玉手箱』の表紙を飾る装丁画について。
当初、「鬼」は「画はなくてもいいんじゃない。大林監督に題字を書いてもらえば」という考えだった。その意見に「百姓」が一揆を起こす。
「やっぱり画の方がいいです」
「あのね、貧乏NPOでつくるんだよ。今でもぎりぎりの予算なんだよ」
「装丁画っていくらくらいかかるんですか?」
「鬼」は「百姓」に断念させようとふっかけた。
「それは人によるけど、50万円くらいかな」
しばし、思案した「百姓」が思いもよらぬことを口にする。
「それ、私が出します!」
この時点では榛名かなめこと「年貢に苦しむ百姓」はいちライターでNPOの会員でもなかった。まさか資金を提供するとは…。榛名かなめもこの本と真剣に向き合っているのだ、この本に懸けているのだと実感した。
「それで誰に装丁画を頼みたいの?」
「大林監督の娘婿の森泉岳土さんはどうですか」
ここで大林ファミリーの名前を出すか。さすがの「鬼」も拒否しようがなかった。
そうと決まってから、今度は「人たらし」の動きが早かった。早速、大林監督サイドに打診。そして森泉さんとお会いする日が決まったのだが、それが10月26日、場所は茨城県つくば市。あちゃ~新潟に行く日だ。「人たらし」はひとりで交渉に臨むという。
「人たらし」ならひとりでも大丈夫かと思いつつ、なんとなく不安がよぎる。そこで、「百姓」に半ば命令するようにLINEで告げた。「あなたが言い出しっぺなんだから、あなたも同行するように」
10月26日、「人たらし」と「年貢に苦しむ百姓」は茨城に遠征。やはり危惧したようにトラブルが発生する…。
(茨城遠征の模様は「人たらし」か「百姓」が後日リポートする予定)

大林宣彦氏プロフィール

1938年1月9日、広島県尾道市生まれ。映画作家。自主製作映画の先駆者としてCMディレクター、映画監督として活躍、“映像の魔術師”と称されている。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。代表作は『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の“尾道三部作”、『この空の花―長岡花火物語』『野のなななのか』『花筐/HANAGATAMI』の“大林的戦争三部作”など多数。2004年に紫綬褒章を受章、2009年に旭日小授章を受章、2019年の文化功労者に選ばれている。2016年8月に肺癌が判明、ステージ4まで進行しており「余命6カ月」、のちに「余命3カ月」と宣告されるが、抗癌剤治療が奏効し、現在は「余命は未定」。2020年4月に最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が公開。

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