翔んで尾道 その10

2020/3/4/8:51

尾道取材旅行2日目。私は人たらしさんと、尾道市街から尾道水道を挟んだ向こう側にある向島に渡船で渡った。渡船は大林監督の映画「さびしんぼう」にも登場する。
向島の目的地は「転校生」や「あした」をはじめとする大林映画のロケ地。我々は点在するスポットをめぐるためレンタサイクルを借りた。
一路ロケ地を目指すはずだったのだが、自転車で走り出してすぐ、「住田製パン所」という味のある佇まいのパン屋を目撃。早速寄り道をした。
店内に入って対応してくれたのはお店のおかみさん。「おすすめは何のパンですか?」と尋ねたことをきっかけに「住田製パン所」が大正5年創業で100年も続いているということなど、会話が弾んだ。そんな中、私は名物のメロンパンとともに、昔ながらのガラス瓶に入ったレトロなサイダーに目を引かれた。聞けば、この先に店を構える老舗の後藤鉱泉所が製造しているサイダーだという。ガラス瓶はリサイクルするので持ち帰り厳禁。その場で飲んで瓶を店に戻すシステムだ。「うちは大正5年から、後藤鉱泉所は昭和5年から。後藤さんのところはサイダーをつくっている爺さんが倒れるか、ビンがなくなるか、どっちが先か競争なんや。ビンを戻してもらっても、かけたりして、なくなっていくからね」。おかみさんの言葉は冗談めかしながらも深いものがある。
私はメロンパンとサイダーを購入。メロンパン持ち帰り用のビニール袋は不要と告げると、「地球のためにいらんな」とおかみさん。そこから、スウェーデンの若き環境活動家、グレタさんの話で盛り上がった。
地球の環境保全を思いながらパン屋を営むおかみさんとの出会いに感謝しながら、店外に設けられた簡易休憩所でサイダーとメロンパンをいただいた。どちらも素朴な味なのだが、愛情が込められている分、味に深みがあった。

つづく

後藤鉱泉所で製造しているサイダー

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