翔んで尾道 その11

2020/3/4/9:04

ロケ地を目指して自転車を走らせる中感じたのは、尾道市街と比べると向島が昭和の香りを留めているということ。尾道市街の開発が進む一方で、向島は同じ尾道市内でも開発のスピードが緩いらしく、緑が多く、実にのどかな風景が広がっていた。私は人たらしさんと、時々道端に咲く花をカメラに収めたりしながら、映画「ふたり」に登場する向島大橋などのロケ地をめぐった。
その途中で目にしたのは極早生みかんの無人直売所。緑色とオレンジ色の混じったまだら模様のみかんは、若干若いかと思われたのだが、そこにちょうどやってきた売主の女性によると、皮は緑でも中身は鮮やかなオレンジ色なのだという。私と人たらしさんは6個入りのみかんを一袋ずつ購入し、向島大橋を渡った先にある岩小島の海岸沿いで各々ひとつ頬張った。海風に吹かれつつ酸味と甘味の程よいみかんを味わいながら、人たらしさんと「鬼さんもいればよかったのにね」という話になった。向島みかんの爽やかな香りと味わいは、ご当地で食べてこそのものだと思う。
その後、尾道市街に戻って食した尾道ラーメンもしかり。グルメは、ご当地の空気も含めて味わうものだと改めて感じた。
大林監督のルーツを探るべく訪ねた尾道取材旅行は、1泊2日と短かったが、監督の映画に対する思いに触れたのはもちろん、自分自身にも問いかけをすることができ、実に収穫の多い旅となった。誘ってくれた鬼さん、そして何より2日間行動をともにしてくれた人たらしさんに感謝である。あとは監督の力強い言葉を、衝撃的にアグレッシブに表すべく、邁進するのみ! 本ができたらまた尾道を訪ね、大林映画の世界に身を委ねつつ、自分と向き合ってみたい。

おしまい

映画「あした」のロケ地

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