社名はどうする?

2020/3/22/6:51

忙中閑あり。でもないが、出版に向けていろいろ考えていると眠れなくなったり、眠れてもわずか数時間で目が覚めたり…。これはおそらく精神的に興奮状態にあるのだと思う。心を落ち着かせるために、最近は時間を割いて庭の草むしりをするのだが、これが意外と効果的で頭の中を空っぽにするのに役立っている。
いや、正確には空っぽとはいえず、ここでも集中している。庭の雑草との対峙。最近は葉が地面から出始めたドクダミと格闘して、草引き器具との摩擦で手のひらの皮がつるりと剥けてしまったのだが、それに気がつかないくらい集中していた。

さて、昨年11月頃から集中しながら考え込んでいたもののひとつが社名であった。共同経営者となる「人たらし」は考えているのか、いないのか…。尋ねても気乗りのしない様子。「代表者はあなたなんだから、自分で考えなさいよ」というようにも見受けられた。
あれやこれやいろいろ考えたのだが、「これだ!」といったものは思い浮かばず、ぼおっとしていたら視界の片隅で動いたのが、愛犬の「ユニコ」であった。ユニコの名前は手塚治虫の漫画『ユニコ』からとったもの。伝説の一角獣=ユニコーンの子どもであるユニコは人々に幸せをもたらす不思議な力を宿している。うんうん、これはいいかも…。そこにもってきて、ふと思い浮かんだのが大林宣彦監督。そういえば大林監督は手塚治虫を尊敬していて『ブラック・ジャック』を原作にした『瞳の中の訪問者』という映画も撮っているではないか。
それで「ユニコ」という名称の会社にしようと決めたのだが、「ユニコ」といえば既に知られた家具の会社があったので、残念ながら「ユニコ」そのものでいくことは躊躇われた。「ユニコ出版」「ユニコ書房」「ユニコ館」…果ては「ユニコの森」(この名称は関西で使っている病院があった)なんていう社名を考えたのだが、どうもしっくりとこない。「人たらし」が「『ユニコしゃ』でいいんじゃない。ただし、『しゃ』は会社の『社』ではなく、校舎や駅舎の『舎』」と言ったことで、なるほど、と。「舎」には「やどり」という意味もあるし、「人々を幸せにする力を宿したユニコ」という意味でもしっくりきたので(やや強引なこじつけだが)、「ユニコ舎」という社名にすることにした。昨年12月24日のことであった。

大林宣彦氏プロフィール

1938年1月9日、広島県尾道市生まれ。映画作家。自主製作映画の先駆者としてCMディレクター、映画監督として活躍、“映像の魔術師”と称されている。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。代表作は『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の“尾道三部作”、『この空の花―長岡花火物語』『野のなななのか』『花筐/HANAGATAMI』の“大林的戦争三部作”など多数。2004年に紫綬褒章を受章、2009年に旭日小授章を受章、2019年の文化功労者に選ばれている。2016年8月に肺癌が判明、ステージ4まで進行しており「余命6カ月」、のちに「余命3カ月」と宣告されるが、抗癌剤治療が奏効し、現在は「余命は未定」。2020年4月に最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が公開。

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