ユニコ舎設立

2020/3/26/9:41

本づくりを進める中での出版社の起ち上げは非常にハードでタイトだった。昨年末までは某雑誌の編集長の任にあり、今年1月末まで新編集長への引き継ぎもしなければならなかった。二足草鞋どころか三足草鞋の状況だ。
会社をつくるノウハウはまったくないので、創業支援施設にも行ってみたが、結局のところ、自分たちでなにもかもやるしかないと思い知らされただけであった。定款の作成や登記など基本的なことはなんとかなるか、税金や年金、健康保険は…これはもうお手上げ。最後は某税理士法人に駆け込んだのだが、そうしたらあっという間に会社はできてしまった。それなりにお金はかかったが、しかし、時間を買ったと思えば損はなかったと思う。
ユニコ舎の設立は1月17日。社名を決めてから3週間ほどであった。
会社の設立と同時に本のISBNコードと書籍JANコードの取得。こちらも初めての経験だったが、インターネットで情報をたぐりながら、なんとか取得することができた。ちなみにコードは個人でも取得できることがわかった。コードを取得できれば個人でも本を流通させることが可能だ。
なんとなく、本を出版できる体制は整いつつあった。ここまで来て、ふと気づいたことがあった。株式会社をつくったのに株券が手もとにないな~と。某税理士法人の担当者に聞いたところ、今は株券もぺーパーレスの時代で、電子化されているのだとか。いろいろ説明されて、その場ではわかったような気になるのだが、実のところ、完全には理解できているわけではない。そのあたりはのことは学生時代に簿記の勉強をしたことがあるという「人たらし」に丸投げした。
ふと気づいたことが、もうひとつ。私は個人事業主でもあったため、年金(国民年金)の納付は60歳までであった。もうすぐ年金を払わなくて済むと周囲に吹聴していたのだが、会社を設立したことにより国民年金から厚生年金にかわり、厚生年金だと勤めている限り、70歳まで払わなければならないことを知り、おおいに落胆した。
最近は体力が著しく低下している。慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患い、肺年齢は95歳以上と診断された。新型コロナに罹れば一発アウトだ。
しかし、まあ、今のところ人生のリスタートは楽しめている。

大林宣彦氏プロフィール

1938年1月9日、広島県尾道市生まれ。映画作家。自主製作映画の先駆者としてCMディレクター、映画監督として活躍、“映像の魔術師”と称されている。1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出。代表作は『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の“尾道三部作”、『この空の花―長岡花火物語』『野のなななのか』『花筐/HANAGATAMI』の“大林的戦争三部作”など多数。2004年に紫綬褒章を受章、2009年に旭日小授章を受章、2019年の文化功労者に選ばれている。2016年8月に肺癌が判明、ステージ4まで進行しており「余命6カ月」、のちに「余命3カ月」と宣告されるが、抗癌剤治療が奏効し、現在は「余命は未定」。2020年4月に最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が公開。

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