必死に物事と向き合う

2020/4/17/2:36

4月10日、大林監督がお亡くなりになった。
私が初めて大林監督にお会いしたのは2017年6月だった。CS局の衛星劇場で放送されている「大林宣彦のいつか見た映画館」関連の取材をすることになり、事前に同番組で取り上げる『カメラを持った男』というロシアの古い映画を見てから取材に臨んだのだが…監督の話を聞いて、とにかく衝撃が走った。この作品の話を聞くはずが、話を聞くうちに、3.11の話になり、第二次世界大戦の話になり、戊辰戦争の話へと発展していったのだ。とめどもなく監督の口から流れ出る話に、私は夢中になった。そしてインタビューが終わると「すごい人と出会ってしまった!」と思った。
その衝撃のインタビューから、3年半ほど、私はほぼ1カ月に一度の割合で監督にインタビューをしていた。監督の話には毎回衝撃を受けっぱなしだった。しかも、その間、監督は肺がんステージ4だったのである。時には体調が優れない日もあっただろうが、私が問いを投げかけると、監督は必死に真摯に答えてくださった。まさに必死に生きていた姿を目の当たりにしたのだ。そんな監督のお姿を見て、私も必死に物事に向かわねばならないと考えさせられた。
ありがたいことに、監督は私をとても信頼してくださっていた。インタビューの終わりには「ありがとう」と言って、手を差し出してくださった。そして、原稿をお見せすると、お褒めの言葉を何度もくださった。監督の話を、少ない文字数にまとめるのはかなり難儀したが、毎回コラムができあがるたびにこの上ない達成感を抱くことができたものだ。
いま、監督はロケハンの旅先から、きっと私を見守ってくださっていると思う。監督が、映画に、そしてインタビューに必死に向き合っていたように、私も必死に“伝える”仕事に向き合っていこうと思う。

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