6/16刊行!『北海道・恵庭 奇跡のまちづくり』

私にとっては奇跡の本づくりでした

ユニコ舎代表・平川智恵子

5月16日、新刊『北海道・恵庭 奇跡のまちづくり』の校了日を迎える。1年間の取材・編集・制作作業を終え、6月16日に刊行する運びとなった。
北海道・恵庭というまちを本の題材にしようと思った経緯は、2023年に家族と北海道旅行で恵庭を訪れたことから始まった。当初はまさか書籍化ということは微塵も考えてはいなかった。高齢の実父が「生きている間にもう一度、北海道にいる亡き妻の弟・春男さんに会いたい」という願いを叶えるべく、恵庭を訪れたまでだったのだ。しかしながら訪れた季節は6月。恵庭の街中は鮮やかな花々で彩られ、一瞬にして釘付けになったことは今でも記憶している。春男さんとの再会に家族で心から喜び、奥様である真裕美さんには「えこりん村」(ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」が運営するテーマパーク)にある銀河庭園(現在リニューアル中)という素晴らしいガーデンを案内していただいたのだが、自然の美しさにうっとりしてしまった。
北海道から戻った後も、恵庭の花の美しさが忘れられなかった。なぜこんなにもまちが美しいのか。以前から真裕美さんが花の活動をしていることは知っていたのだが、あらためて恵庭についてインターネットで調べていくと、次第に恵庭の花のまちづくりへの興味が増していってしまった。「恵庭のまちづくりは、少子高齢化や過疎化が進む現代において、ほかの地域で暮らす人たちのヒントになるのではないか」と考え、書籍化したいという思いが日に日に増していった。とはいえ、なかなか真裕美さんに書籍化の話を切り出せないまま3カ月を経過した。家族には「早くしないとほかの出版社が出しちゃうよ」などとせき立てられたため、意を決して「恵庭の花のまちづくりを書籍化しませんか」と真裕美さんに切り出したのだった。
真裕美さんからの答えは「ハイ! やります!」だった。
その潔い返答に身震いがした。
そこからは真裕美さんと懇意にしているNPO法人グリーンワークスの牧野ふみよさんのアドバイスもあり、本の構想が固まっていった。それは恵庭でまちづくりに関わる方々をガッツリ登場させたインタビューてんこ盛りスタイルの本であった。
原田裕恵庭市長をはじめ総勢43人(座談会形式もあり)の取材を4泊5日で収めた真裕美さんの弾丸スケジュールにも驚かされたが、聞き手・ライターを引き受けてくれた森中要子さんや、腰が抜けてしまうのではないかと思われるほどの重いカメラを抱えて一心不乱にシャッターを押していた丸田明利さんには頭が下がる思いがした。
編集作業はたっぷりと時間を要してしまった。
なぜなら撮影した写真だけではどうしてもページに躍動感が出せないのである。困り果てた挙句、恵庭のデザイナーであるboscoの久保純一さん、恵庭市役所経済課花・緑観光課から恵庭に関連する数多くの写真を提供していただいた。そして真裕美さんのfacebookにアップされている花の活動写真もたくさん使わせていただいた。躍動感あふれる写真に意気揚々とした。
一方、43人を取材した原稿作成は想像以上に難航した。タイムリミットもある中、ライターである森中さんひとりに負担をかけられないため、音源の文字起こしにも多少関わったが、インタビュー音源から流れる恵庭の人たちの声が、作業の活力となった。
おかげさまで満足のいくデザインに仕上がった。意図をうまく説明できない私の要望に最後まで粘り強くお付き合いくださったSTUDIO BEATの竹歳明弘さんには感謝するばかりだ。
本書は、内倉真裕美さんを発起人としたクラウドファンディングが出版の下支えとなった。公開期間には毎週1回1時間のZOOMによって、恵庭のまちづくりに関わる方を登場させ、恵庭の魅力を発信し続けた。加えて関連企業への支援要請も、粘り強く推し進めたのだ。周囲の人を巻き込み、楽しみながらも粘り強く目標に向かって走り続ける真裕美さんの姿に圧倒されまくったが、とてもいい経験をさせてもらった。
おかげさまで多くの人の想いが込められ、私にとって生涯忘れられない大切な一冊となった。
この本に関わってくださった皆さんに心からありがとうと伝えたい。

恵庭で花のまちづくりを進めてきた内倉真裕美さん
4泊5日の弾丸取材を敢行。左から丸田明利さん、筆者、内倉真裕美さん、森中要子さん
内倉真裕美さんとのオフショット
クラウドファンディンが出版の下支えに。毎週1回1時間のZOOM会議を実施。恵庭の魅力を発信!
5月16日、都内印刷所で出張校正中の森中要子さん(左)と筆者。これにて校了!

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