送別歌

“ゴジラ”の同級生として俳優人生を歩んできた私だから語れることがある。

朝鮮生まれで満州育ち。戦後の引き揚げで初めて土を踏んだ故国での異邦人としての想い――。大陸で育まれた宝田明のコスモポリタンとしての気質は演劇の世界で開花された。
反核のシンボル“ゴジラ”の盟友として未来に託すメッセージとは?
満州からの過酷な引き揚げの旅を詠んだ「送別歌」に込めた、コスモポリタンとしての流儀を語る。

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目次

プロローグ 送別歌

第一幕 大陸育ちのコスモポリタン

豚の花子とソクラテス
朝鮮生まれ、満州育ち
宝田少年の中に根づいた「五族協和」
ハルビン白梅国民学校での日々
円谷英二の特撮に感銘した軍国少年
ビンタに次ぐビンタ
軍歌に込められた反戦の想い
多様な文化、習慣の中で育ったコスモポリタン

第二幕 消えない弾痕

ハルビンの街に火柱
終わったと父の声弱くして
カピタン・ウォトカ・パジャーリスト
窮地を救った宝田少年の閃き
ソ連軍囚人部隊の暴虐
強制使役と石炭泥棒
消えないソ連兵への憎しみ

第三幕 お汁粉の月

八路軍の進出と祖国への引き揚げ
軍から渡された青酸カリ
愛犬ケリーとの悲しい別離
虱の軍隊を率いて引き揚げの旅
盗むかどうかではなく、生きるかどうか
駆逐艦「宵月」で祖国に帰国

第四幕 異邦人としての旅路

心の傷を癒してくれた“柿のおばちゃん“
徳育が疎かになった現代の教育現場
二人の兄との再会
初めて知った“演じる“ことの楽しさ
「ニコヨン」「品川巻き」「賃餅」
自分の中の“何か”を解放できた演劇
“知らないおじちゃん”の百円札
映画を自由に観られる時代がやって来た!

第五幕 “ゴジラ”の生き証人

「螢雪時代」と「東宝ニューフェイス」
筆が立つから、あわや総務部
ゴジラとの出会い
特撮映画ならではの苦労
ゴジラの死に号泣
世界を勇躍闊歩する“ゴジラ”
へこたれないぞ!

第六幕 人生はちょっぴり不幸な方がいい

東宝の三枚看板
役者に大切な「人間観察」
分教場の先生なんてクソくらえだ!
志村喬さんの「赤とんぼ」

第七幕 日本映画黄金期の光と陰

私を育ててくれたプロデューサーたち
千葉泰樹監督と『香港』シリーズ
川島雄三と石原慎太郎
伊丹十三の早すぎた死
戦争を憎悪する三船ちゃんのパワー
猥談で泣かせる森繁さん

第八幕 スポットライトを浴びて

ミュージカル俳優への転身
ミュージカル出演一作目で国からお墨付き
小劇場演劇のフロンティア
まさかの芸術祭大賞
大怪我から得た教訓
真実の姿を伝える演劇を

第九幕 コスモポリタンとしての使命

怪我の功名
世界に広げたい『葉っぱのフレディ』
憲法九条は世界の宝
“ゴジラ”の同級生としての役目
シカゴ「Gフェスタ」での反核メッセージ
沖縄戦の真実
人命は地球よりも重い

エピローグ 私の願

カーテンコール 甘えついでにもう一言

宝田明 主な出演作INDEX

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