20世紀を代表する美術界の巨匠・棟方志功の最後の愛弟子といわれる井上勝江の初の個人画集
終生、命の輝きを描いた画家・棟方志功から「井上は花になれ、花は井上だ」という言葉を託された井上勝江は、版画の中に「花」百態を描き、命の百様をしめすことに重きを置き、創作活動に邁進してきました。数々の名作を画集『刻』に収録。
「刻」には「時間」という意味のほかに「彫る」という意味もあります。井上勝江が人生を通じて、「四季」という「時間」を刻んだ作品を四つのテーマで紹介します。
著者 井上勝江
出版年月日 2021年10月20日
ISBN 978-4-9911368-4-9
仕様 A4変型判(21㎝×21㎝)・フランス製本
頁数 96頁(本文)
定価 3,000円+税
■掲載例
巨匠・棟方志功の最後の愛弟子といわれる井上勝江さんの初めての画集です。
府中市美術館学芸員の志賀秀孝氏の協力のもと、1年以上をかけて編集作業を進めてきました。
井上さんの弟子であるジュディ・オング倩玉の手記も収録。
装丁者の竹歳明弘さんは、『くままでのおさらい 特装版』(井上奈奈著)の装丁を手がけ、「世界で最も美しい本コンクール2018」で銀賞を受賞しています。
井上作品の神髄をたっぷりとお楽しみください。
目次
華の刻─四季を奏でる花々の意匠
耀の刻─比類なき威厳の意匠
井上勝江の刻─その人生と作品のある空間
彩の刻─麗しき彩色の意匠
凛の刻─躍動する生命の意匠
井上勝江が刻んだ蔵書票
前だけを見て闊歩する稀代の女性芸術家……ジュディ・オング倩玉
師・棟方志功に「花=愛」を託された井上勝江……志賀秀孝(府中市美術館学芸員)
井上勝江(いのうえ・かつえ)
1932年9月16日、新潟県新発田市生まれ。13歳まで新潟市で過ごす。20代は友禅染の職人をめざし創作活動を続けたが、版画家・棟方末華と出会い、木版画に魅了される。「蓮華」「屏風」が棟方志功に認められ、志功に師事。「花」をテーマにした板画を描き続けている。1995年から2018年まで関東医療少年院で版画指導を行い、その功績により、2013年に社会貢献者表彰を受賞。2007年、第57回板院展「棟方志功賞」、2016年、第63回板院展「東京都知事賞」、2017年、第67回板院展「文部科学大臣賞」、2021年、第70回板院展「ヴァン・ゴッホ賞」を受賞。2016年、日本板画院名誉会員推挙。