「大東亜戦争」を体験された8人の手記集
国家同士における相容れぬナショナリズムの境界、その諍いから生じた生と死を分けた境界、戦前・戦中・戦後という時代の境界を赤裸々に綴る戦争体験者の手記集。
ソ連国境近くに布陣中、ソ連軍の侵攻に遭い、シベリアに抑留された牛窪剛氏。
ソ連軍の民間日本人大虐殺事件「葛根廟事件」に遭遇した大島満吉氏。
昭和2年に台湾で生まれ、13歳で単身で来日。水戸航空通信学校に入校した吳正男氏。
敵の機雷に触れて船が沈没。玄界灘に浮かぶ六連島で終戦を迎えた柴垣直行氏。
8歳で満州に渡り、終戦後、ソ連軍や現地の暴民と戦いながら逃避行を続けた高橋章氏。
昭和20年1月に召集され、終戦後、シベリアで3年間の過酷な強制労働に従事した西倉勝氏。
東京市蒲田区で育ち、東京城南大空襲に遭い、防空壕の中で生き残った日比野靖氏。
飛行機好きが高じて東京陸軍航空学校、陸軍航空通信学校へ入校した柳橋晃一郎氏。
戦禍を生き抜いた8名の慟哭のようにも聞こえる心の叫びで紡いだ証言集です。
※本書の題字は満州からの過酷な引き揚げを体験された俳優の宝田明さんの直筆文字です。
構成 安木由美子
著者 牛窪剛 大島満吉 吳正男 柴垣直行 高橋章 西倉勝 日比野靖 柳橋晃一郎
出版年月日 2022年2月12日
ISBN 978-4-9911368-5-6
仕様 四六判・フランス製本
頁数 270頁(本文)
定価 1,600円+税
■著者
目次
はじめに
老兵は生きて真実を語り継ぐのみ 牛窪剛
遥かなる平原からの叫び 大島満吉
台湾は祖国、日本は母国 吳正男
玄界灘に消えた船と生命 柴垣直行
故郷の慰霊碑は語らず 高橋章
白樺の肥になるまいぞ 西倉勝
記憶に刻まれた禍々しい破壊の色 日比野靖
戦略なき戦争からの「学び」 柳橋晃一郎
あとがき
時代背景