2022年2月12日に戦争体験者手記集『境界 BORDER』を刊行

2021/12/26/15:21

ユニコ舎では8人の戦争体験者の手記集『境界 BORDER vol.1 大東亜戦争の記憶』を2022年2月12日(土)に刊行する予定で、現在、制作作業を進めています。
本書は一般社団法人昭和文化アーカイブス代表理事の御手洗志帆さん、八王子平和・原爆資料館運営委員の竹内良男さんに協力をいただき、昨年1月から出版計画を進めてきました。本書の企画段階での最初の題号は「1945年8月14日」でした。8月15日は日本人なら誰もが知っている「終戦の日」です。8月15日から戦後が始まったとするなら、その前日、8月14日までの日本はどんな国だったのか? 戦前・戦中・戦後の線引きはどこでするのか? 終戦によって人々の意識はどのように変わったのか? それを暗に示す題号として「1945年8月14日」としたわけです。
ところが戦争を体験された方々からお話をうかがううちに戦前・戦中・戦後の線引きなど不可能だと思い至りました。実際に従軍された方、銃後の守りをされた方では“戦争”の捉え方は違うし、従軍された方でも南方と満州といった戦地、そして海軍と陸軍でも内情がまったく異なります。さらに少しでも年齢が違えば時代の見つめ方が大きく変わります。そこにはカタチは違えども、さまざまな悲劇があり、それは過去形ではなく現在進行形の出来事でもあり、それらすべてが“戦争”なのだと思い知らされたわけです。
国家同士における相容れぬナショナリズムの境界、その諍いから生じた生と死を分けた境界、戦前・戦中・戦後という時代の境界を正確に伝えるべく、丁寧に聞き取り取材を重ねてきました。本書に登場する方々の記憶が一本の糸のように、未来を生きる読者の皆さまとつながっていってほしいと願いながら「境界 BORDER」と改題して刊行いたします。

本書の構成は、宝田明さんのメッセージ集『送別歌』を手がけた安木由美子さんが担当。本書の題字は、満州からの過酷な引き揚げを体験している宝田さんに書いていただきました。

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