下仁田町で進む女性村プロジェクト

2023/03/13/09:09

評論家でNPO法人日本ららばい協会の理事長を務める西舘好子さんが進めている“群馬県での女性のユートピアづくり”を見学してきた。
日本ららばい協会は子守唄を通して子どもの心の健全育成や子育て支援、虐待防止に取り組んできた。その一環として開始したのが群馬県下仁田町の廃校舎(旧西牧小学校)を拠点とした「ねぎぼうずプロジェクト」である。
名称は下仁田町の特産であるネギにちなんだもの。女性たちが交流できる催しや、専門家による母子の心のケア、育児や自立のための講座などを行っていく。DVや虐待にあい母子の「駆け込み寺」としても活用していく予定だ。

「ねぎぼうずプロジェクト」には世界的ピアニストのフジコ・ヘミングさんも賛同。フジコさんが使っていたドイツ製ピアノが寄贈され、昨年11月13日にはお披露目のコンサートで演奏されている。教室のひとつを「フジコ・ヘミングの部屋」としてピアノは誰でも自由に弾くことができる。

プロジェクトは時間をかけながら着実に進められている。
豚ホルモン発祥の高崎市の食堂を舞台にした映画「泣いて笑って豚ほるもん」の上映会、豚まんの販売と料理教室などが行われた。
またガーデンデザイナー、ミニチュア作家、蒐集家として知られる多田欣也さんの部屋もできて、多田さんが集められたレアな品々が展示されている。

現在、音楽室、図書室、理科室、調理室などを新たな活動の場とするための改装が進められている。体育館や校庭も利用できるので「ねぎぼうずプロジェクト」で“やりたいこと”“やってみたいこと”は無尽蔵にあるように思えた。
西舘さんは「宿泊や商業施設として造られたわけではない校舎の再利用するにはクリアしなければならないことがたくさんあります。だけど、そのひとつひとつが楽しい。夏になったらここで星座観測会を催したい。ここの星空は本当に美しいので、そう考えただけでわくわくしてきます」。
この日は下仁田町でオリジナルのオルゴール(GARYUオルゴール)を制作、演奏をする山田幸男さんが西舘さんと面会。西舘さんのライフワークである“子守唄”と山田さんが奏でるGARYUオルゴールの音色が融合した催しの開催が期待される。

フジコ・ヘミングの部屋
多田欣也の部屋
山田幸男さんと西舘好子さん

※ユニコ舎は「ねぎぼうずプロジェクト」をドキュメントして定期的に情報発信していく予定です。

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